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2022.03.30

ITを通じて保育業界を笑顔にする!
顧客・営業活動データの活用
~顧客・営業活動データの活用を行い、売上拡大と業務効率化~

保育ICT株式会社

※データ活用事業はすでに募集を終了しております。

全国の保育所・幼稚園や小中学校、また課外活動を行う学童・習い事教室・塾などへICTサービスを展開する保育ICT(株)。同社が実施した顧客・営業活動データを用いた営業活動と組織全体の業務の見える化による効率化ついて部長の畠山祐樹様にお話を伺いました。

保育ICT株式会社

データ活用事業利用前の状況

①営業活動の課題(顧客側の状況)

顧客である保育所・幼稚園の日常業務は昔ながらの手作業が多いため、当社の営業活動もリストを基にした電話・DM・飛び込み営業などのアウトバウンド的な活動が中心となっていました。アポイントメントまでの流れも手動で、顧客側が一時的に手の空く昼過ぎに予約が集中してしまうなどの課題もありました。

保育所・幼稚園等の組織は、一度サービスを利用開始したら退会率は5.5%と非常に低かったため、いかにして効率的に新規顧客を獲得できるかが重要な課題でした。

②業務体制の課題(当社側の状況)

当初保育ICT(株)では、全国を最大5名の営業担当者で分担していましたが、顧客情報の管理や、案件の進捗管理も出来ておらず、そこからの分析も出来ておらず、また顧客や見込み客のデータを使った営業が出来ていませんでした。

顧客データは複数の表計算ソフトで管理していましたが、誰でも編集できてしまい、また記入ルールもあいまいだったため、同じ顧客データが2カウント出来てしまうなど、管理には使えないデータでした。

事業を利用するきっかけ

保育ICT(株)として顧客・営業活動データを効果的に活用して・煩雑な営業フローを効率化し、見込み顧客の獲得・受注率向上等を実現したいと思い、本事業に申請しました。その後、保育ICT(株)が(株)千グループに加入(2020年4月)した後もプロジェクトは引き継がれ、現在に至ります。

実施したデータの分析・活用

本事業では、当社の営業活動をCRMサービス導入と併せて見直し、業界特有の営業活動のエッセンスは残しつつ、営業担当者・組織全体の業務の見える化によって、業務全体の効率向上を目指しました。

既存の保有データ(法人名・園名・担当者情報・導入商品金額・電話等対応履歴など)の重複の削除や整備を進めると同時に、新たに営業活動履歴データと、商談結果の集計を具体的に進めました。結果、保有データは潜在顧客全体で約2倍、うちお取引頂いている顧客数については1年半で4倍増と、大幅な拡大に成功しました。

整備したデータは、自社で分析を行い、今後の営業活動への反省として活用しました。分析の結果、自社の提案と、保育園等の種別、認可・企業保育園等の属性情報の組み合わせによってアポイント獲得率や成約率に違いが出ていることが仮説として判明しました。また、顧客からの要望を定性的に(声の大きい企業のものを取り上げる)だけではなく、定量的に整理することで、顧客の要望する機能を合理的に理解できるようになりました。

新たな電話営業のリストを作る際には、過去の顧客とのアポイントの獲得成果や、商談後の成約率のノウハウを組み合わせ、より精緻に企業情報に対応した商品提案を行うことで、当社商品の価値である「業務効率化」をよりダイレクトに伝えることが出来るようになりました。結果として、営業成約率が当初の約30%から約45%に大幅に改善しました。 顧客からのサービス上の要望は、窓口が集約されたことで、定量的な分析が可能になり、開発部門との間の優先順位のすり合わせに役立っています。

今回導入したCRMサービスを企業の他事業部への利用拡大する計画も出てきており、本事業の成果は今後も当社の基盤となっていくことは間違いありません。

本事業を終えての感想

専門家に、導入から導入後のフォローまで十分に相談出来た点が良かった。CRMサービス上で何が出来て、何が出来ないのか、相談が出来なければもっと手探りの導入になってしまっていたと感じる。非常に高い専門性と知識量を持つ方のサポートを受けられ、満足な成果を出すことが出来ました。

取材後記

業務効率化を製品とする企業の業務効率化、というメタ的なテーマだったように感じます。組織自体のITリテラシーが高い一方で、顧客に当たるターゲット市場のITリテラシーが低いという点が非常に特徴的で、今後、例えばデジタルネイティブ世代が昔ながらの業態で創業・承継をした際などには、今回の当社の指導の知見は役に立てることが出来る可能性があると思います。
(取材:中小企業診断士 柏崎裕介)

企業情報

社名
保育ICT株式会社
所在地
東京都千代田区大手町一丁目3番2号 経団連会館13F
設立
2016年
事業内容
保育事務支援システム
資本金
従業員数

「ITを通じて保育業界を笑顔にする」をミッションとし、人手不足など多くの問題に直面する保育業界に対し、 ICTの力で従来の煩雑な業務を削減し、”保育”に関わる人々を笑顔にしたい。 その想いで、創業事業である保育事務業務を支援システム「Hoisys(現 はいチーズ!システム)」を開始しました。 はいチーズ!システムで保育現場の問題を解決し、子どもたちと向き合うことに専念できる環境づくりをサポートしています。