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2021.04.26

ICTツールの導入で
現場の見える化を行い
現場でPDCAをしっかりと回していくことで
目標に対する達成意欲を向上する仕組みを作り上げ
従業員の成長を促し、DXを推進する。

株式会社 吉増製作所

株式会社吉増製作所は、創業以来、航空機関連大手企業との契約を中心に、航空宇宙関連の精密金属部品加工事業を行っている。
航空機関連大手企業に部品やユニットを納入するメーカーには、高い製造技術力だけでなく、高い品質管理能力も求められ、関連する公的規格の取得と維持が必要である。これらの高い技術要求・品質要求は、新しい企業が航空宇宙業界へ参入することに対して高い壁となり、永年、安定した受注を得ることができている。しかし、安定している航空・防衛業界の将来の動向を考えると、この先の大きな成長を期待することは難しいと思われる。
そのような状況の中で吉増製作所は、事業拡大のためには、外部環境の変化に対し、柔軟且つスピード感を持った対応を行っていく必要があると考えた。
そのための第一歩として、ICTツール導入による業務改善と意識の改革を図った。
株式会社吉増製作所 経営企画部部長 倉部正士氏にお話を伺った。

吉増製作所は、会社の経営理念に「浜の真砂※」の言葉を掲げ、改善や技術革新の種が尽きないことを示し、たゆまない改善、飽くことのない技術革新へ取り組むことを目指している。この経営理念は従業員一人ひとりに浸透し、様々な改善活動による成果を生み出している。
しかし、個々のチームによる改善ではその範囲に限界もある。システム導入による業務改善とシステムにより小集団活動での改善の範囲が更に広がることを期待して、今回、様々なシステム導入に踏み切った。

※「浜の真砂」:浜にある砂。数え尽くせないことから数の多いことにたとえていう(大辞林)

どんな課題があったのか?

今回のICTシステムの導入を考えた背景にある課題は、近い将来、少子高齢化により人材の採用が困難になる事態が想定されるため、会社の成長には業務の生産性向上が重要となること。また、従業員の成長を促し、外部環境の変化に素早く対応できる会社となること。

多品種少量の受注に対して、最終検査も含めて、多くの生産工程を経て完成する部品の生産工程の進捗把握が困難なこと、製造現場での様々な作業を改善していくために製造現場の見える化を進めていく必要があること、紙の生産手順書の発行及び管理にリソースを必要としており、これを削減したいこと。

各部門で必要な規定類の版管理と閲覧を容易にすること。

個別の作業内容については改善活動を行って成果を得ているが、工場全体の生産管理について考えると多品種少量生産であるがゆえに生産パターンが非常に多く、計画的な生産スケジューリングが難しい。また、計画変更も非常に複雑となること。

工場における各加工機械の稼働率を営業部門と共有できず、どの仕事を獲得するのが会社として最適なのか、営業部門での戦略的な目標設定と営業活動が困難であること。

製造現場でこれから作業を開始する生産工程において、過去にどのような不適合が発生していたかの情報を共有するためには都度調査する必要があり、調査不十分から不適合の再発のおそれがあること。

生産管理部門で計画した生産計画を現場で実行する際に、印刷された資料を基に作業者に作業の割り付けを行っていること。その作業の進捗状況を把握するのにタイムラグがあり機動的な対応が難しいこと。

現場の見える化とは?

システムの導入にあたっては現場の見える化を目的とした。見える化で考えたことは以下のとおり。
1) マネジメント層の現場の作業進捗の把握
2) 営業部門の工場の稼働状況の把握
3) 製造部門の現場での作業工程の把握
4) 製造部門の現場での品質情報の把握
5) 新規案件の進捗状況の社内での共有

事業を支えるシステム・仕組み

“TECHS-BK”を生産管理システムとして以前より使用していた。“Salesforce”を新たに導入し、CRM/SFAとしてだけではなく、社内の業務プロセスの見える化・自動化に使用した。また、その機能を補完するために、タブレット端末、デジタルサイネージと”マシモニ装置稼働把握システム”を導入した。

その後、フリーソフトであるグループウェアの”GroupSession”を導入し、スケジュールの共有、施設予約、休暇届けなど、社内のデジタル化を推進。品質管理の規定類等の資料の文書管理を目的として、”楽々Document Plus”を導入。フリーソフトである”プリザンター”を導入し、EXCEL台帳のデータベース化を始めている。

< TECHS-BK >

生産管理システムとして多品種少量生産に強い”TECHS-BK”を使用。
受注から、納品・売上げ(受注・仕入れ・作業指示・外注発注・売上)を管理。
営業部門が受注した契約内容に基づき、生産管理部門が生産計画を策定。
製造部門へは生産指示書を発行し、各工程の工程納期を基に生産の進捗管理を実行。
各職場にあるハンディターミナルを使って作業の着手・完了を登録し、作業実績を把握。

< Salesforce >

間接業務の見える化を目的として導入。顧客対応のスピードを速め、顧客満足度を高めることが狙い。
本来のCRM/SFAを目的とした使い方にとどまらず、新規案件の社内対応の情報共有・見える化、不適合品処理やクレーム等、異例対応の情報共有・見える化、タスク管理、情報の共有と一元管理に活用。業務のスピードアップと過去データの活用に重点を置く。
特に、不適合品の処理では、不適合品の発生から処理完了までの一連の処理プロセスを組み込み、必要なタスクをシステムで自動作成する等、不適合処理の状況を全て見える化し、対応スピードを速めている。

< タブレット端末 >

現場作業者に一人一台配布。

生産指示書のバーコードを読み込むと、必要な手順書がタブレット端末上で閲覧可能。

社内無線LANに接続し、社内無線LANの接続範囲から外れるとアラームがなる機能を搭載し、工場外に持ち出すことを防ぐセキュリティ対策を図る。

工程の作業着手・完了の登録もタブレット端末から可能。

タブレット端末外観
タブレット端末外観

< デジタルサイネージ(大型ディスプレイ)>

現場のリーダーが優先順位検討項目(客先納期、停滞日数、標準工数等)を基に、EXCELを使い日々の作業を各担当者に割り付け、その内容を各製造グループに設置しているデジタルサイネージに表示。
過去不適合が発生している品番についてはその不適合の内容が表示され、作業開始時に作業内容の重要項目を再確認することが可能。作業の仕掛、完了、遅れ等を把握でき、必要な指示を的確に実施可能になる。

デジタルサイネージ外観
デジタルサイネージ外観

< マシモニ装置稼働把握システム >

製造現場に設置されているプレス機、工作機械、レーザー加工機、溶接機など25台から、機械稼働データをIoTにより取得。機械停止が発生した場合は、機械停止の要因を作業者がタブレット端末から入力することで情報を集約。

マシモニ装置稼働システム画面
マシモニ装置稼働システム画面

< GroupSession >

社内ネットワーク上のポータルサイトとして、
無料のグループウェアである ”GroupSession” を導入。PC並びにタブレット端末からアクセス可能。ポータルサイトから、“Salesforce”、”プリザンター”、”楽々Document Plus” の起動を可能にし、グループウェアの一般的な機能(スケジューラー、施設予約、在籍管理、休暇届け、掲示板など)と合わせて、各部門の業務の効率化を支えるシステム。

< プリザンター >

各部門が、自部門での業務管理のために作成、維持しているExcelの管理台帳をWEBデータベースである ”プリザンター” に移行中。金型管理、備品管理や改善提案書の管理等で、情報の一元化と情報の共有化のツールとして活用。難しいソフトウェア技術を必要としないローコード開発で必要なデータベースを構築可能。

金型管理については、”TECHS-BK” の生産データを基にショット数を記録していく計画。

< 楽々Document Plus >

ISOの要求事項を満たした文書管理が可能なシステム。

品質マニュアル・規定類の配付や版管理、定期見直しなどを効率的に行うことが可能。承認のワークフローを組んで処理を行うため、現在の回覧状況が簡単に把握できる。
文書類は、フォルダーに仕分けられ、全文検索機能により必要な文書を即座に検索することが可能。

導入されたシステムを、各部門で活用する仕組みを作り上げている。

生産計画・管理(生産管理部門)

受注データから必要なデータを基に、”TECHS-BK” にて、生産計画を策定。生産計画のマスターデータとして活用。受注品毎の生産工程に合わせて、現場に対して生産指示書を発行するとともに、必要な部材を発注。

工程管理(製造部門)

“TECHS-BK” のデータを基にEXCELで作成した当日の作業内容を朝礼時に、現場リーダーが作業者に割り付ける。この際に、過去の不適合内容を共有し、注意を促す。

デジタルサイネージを前にした朝礼風景
デジタルサイネージを前にした朝礼風景

案件進捗管理(営業部門)

“Salesforce” で案件、見積検討、受注・失注、売上等を管理。案件毎の進捗状況や、営業の活動状況の見える化を行っている。営業所が相馬と名古屋にあり、営業所と本社とのやり取りを ”Salesforce” に集約することで、情報の共有を円滑に実施することが可能になっている。

新規受注案件について進捗状況を見える化し、必要なタスクを作成して期日管理を行うことで、対応スピードの迅速化を実現している。

オペレーションマネジメント(経営者)

工作機械、作業者の稼働状況を把握し、工場の生産能力を適切に把握すると共に、品質問題の進捗把握や新規受注案件の把握等により、より高度な経営判断を行うことが可能。

有形効果・直接的効果

生産工程での品質問題の削減と問題が発生した場合の対応スピードの迅速化
当日の作業予定と作業進捗をリアルタイムに近い状態で把握でき、工程納期遅れを削減
生産手順書のペーパレス化による用紙・印刷費の削減

無形効果・間接的効果

現場のPDCAを支えるツールとして様々なデータを提供。PDCAを回す中で、計画の達成意欲の向上と、達成するための創意工夫を考えることを促し、従業員の成長を引き出す。

キャパシティーに課題のある加工装置について事前の生産調整を意識して実施。工場の装置稼働の現状把握をすることで、どの加工装置、加工技術やスキルが不足しているのかなどの課題把握が可能となり、工場管理のサポートツールとなる。

次に考えていること

吉増製作所は、東京都中小企業振興公社の様々な支援活動を利用して、以下のようなシステムの構築や拡充を計画し、精密金属部品加工事業を更に拡大することを考えている。

作業時間を細かく把握することで、コストへの意識を更に高める。
工作機械から発せられる音や振動のデータを取得し、工程途中での機械停止の未然防止や計画的な保守の実施。
現在EXCELで作成している製造の日々作業計画に関して、製造実行システムを導入して作業効率を高めると共に、リアルタイムでの進捗把握を可能にする。また、計画と実績の見える化によって問題解決のスピードを上げる。
標準加工時間等のデータを精緻にした後、生産スケジューラーを導入し、生産計画作成の効率化と臨機応変な計画変更により納期順守率を向上させる。
導入前適正化診断による金型管理システムの構築検討に基づく現場でのバーコードによる管理と、”TECHS-BK” の生産データと紐づけショット数を管理していく。

インタビュイー

interviewee

株式会社 吉増製作所

代表取締役 代表取締役社長 吉増 弾司 氏

企業情報

社名
株式会社 吉増製作所
所在地
〒197-0815 東京都あきる野市二宮東三丁目6番地14
設立
1956年
事業内容
航空機エンジン部品及び航空宇宙部品の製造、各種精密金属部品の加工・製造
資本金
2,000万円
従業員数
130名(2021年3月時点)



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