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2021.04.01

社員の主体性を重視し、企業のそして社員の明確なSDGsを拠り所に持続的発展を続ける社員一人一人のDXへの取り組み

株式会社江北ゴム製作所

江北ゴム製作所には社員ひとり一人の心に根差した経営理念が息づく。そしてこれを糧に自ら顧客からのあらゆる要求に応える気概が漲る。

株式会社江北ゴム製作所は、都内に本社、第一~第三工場、埼玉県の事業所、そして、山梨県に富士工場の6拠点。
西独技術導入によるコンベヤベルト製造から創業。海外企業連携とともに創立59年を迎える。
工業用をはじめ医療機器用、建築領域、スポーツ関連、遊戯施設等、幅広い用途に活用されるゴム製品の開発・製造を展開する企業だ。

代表取締役社長・菅原氏は持続的発展と顧客第一の理念に基づく経営ビジョンを語り全社員と共有。そして社員それぞれ自らのミッションを考え、経営理念に基づき行動する。日々、この高い顧客満足度を志向し顧客との信頼感を醸成する。
同社が最も大切にする基本姿勢だ。この江北ゴムイズム、これは重要な社員教育のひとつ、と菅原氏は語る。

これを心の拠り所に社員一人一人が顧客への顔となり、日々、創意工夫により全力で顧客サービス向上に邁進する。
富士山北麓に位置し水量豊かな湧水の流れの中に建つ、その江北ゴム製作所・富士工場を訪ねた。

早春の陽光に輝く富士と株式会社江北ゴム製作所富士工場
早春の陽光に輝く富士と株式会社江北ゴム製作所富士工場

環境激変からの惹起

主体的意識高揚・行動喚起を促す方針発表会、職場環境改善、報奨金制度、改善提案活動、社員旅行など、社員一人一人の生き甲斐・楽しさを見出す様々な施策がちりばめられる。
この企業風土の中、計画・管理・製造上、「紙」なくして何も為し得ない。この当たり前にどう変貌を遂げるか、同社DXがスタートした。
菅原氏は、社員自ら考え不撓不屈の精神で達成するには全社員のマインドセットが重要、と考える。

この推進担当責任者として富士工場長代理・和光氏に白羽の矢を立てた。公社「生産性向上のためのIoT、AI、ロボットの導入支援事業」を活用し、専門家が招聘された。

DX推進に際しファシリテータを兼ねた公社IoT/AI専門家の指導の下、和光氏は営業をはじめ各製造工程それぞれの担当者とのワークショップを重ねた。最終的に三つの目標に集約 ― (1)ITを用いた生産管理手法、(2)受注から出荷までの全体製造工程の見える化と情報共有、(3)品目毎の製造割振りと全製造スケジュール策定の自動化、の3項目である。

富士工場のDXへの取り組み

今回のDXのテーマは「デジタル技術IoTによる生産性向上」である。
目標は、社員の働きやすい、且つ、活躍できる環境づくり。そしてお客様により近づき、更なるお役に立てることを是とする全般に亘る業務改革だ。

本活動の対象は顧客からの注文に基づく受注処理に始まる。
事前に成形条件から金型台帳より使用する金型を特定し、受注処理がなされる。ここで注文品と共に工程間で持ち回る工程移動表、また、現場リーダに配布される指令書とが発行される。

受注処理工程

これをもとに製造実績を日々確認し、成型投入計画策定のための工程会議が開催される。

工程会議
工程会議

工程会議を経て、製造原材料の在庫引当と不足する原材料の発注処理を行う。投入計画策定の後、これらが製造工程に引き継がれる。

先ず製造工程では、工程会議にて確定した投入計画をもとに、ゴム素材の練り工程からスタートする。

ゴム材料練工程
ゴム材料練工程

出力済の工程移動表に印刷されたQRコードを読み取り、作業に着手。終了時点で使用材料量の実績を端末に入力し次工程に受け渡す。

練工程終了後の端末処理
練工程終了後の端末処理

工程移動表は、接着工程・プレス工程・仕上げ工程・検査工程へと引き継がれる。工程毎にQRコードの読み込みを経て作業に着手、各工程の作業完了時点で実績情報が端末登録される。

接着剤吹付工程
接着剤吹付工程
塗装工程
塗装工程
プレス工程
プレス工程

仕上げ工程では、作業上の留意点をまとめたテキスト情報による作業指示と共に、理解を深めるための画像情報によるノウハウ伝授の工夫も。これは技能伝承をはじめ、外国人実習生に対する言葉の障壁の解決手段ともなり得る。

仕上工程

製造品は、寸法・外観・数量等の検査工程、製品在庫管理工程を経て、梱包・出荷となる。
最終の出荷工程でも同様にQRコードを読み込み、出荷処理が終了する。これで受注一覧表から管理情報が削除され、一連の受注工程が完結する。

DX活動の成果

上記一連の製造工程情報が新たに構築されたデータベースにて一元管理される。これにより全社員がリアルタイムで全工程の進捗状況を俯瞰できる様になった。
更にこの仕組みの運用で、従来難しかった製造工程の全体スケジューリングも初めて可能となった。製造上のボトルネックや課題を瞬時に把握でき、工程の適正化を実現した。

一方、受注時点での工程管理も可能となり、顧客要求を満足する納期計画を迅速に策定できる。
従来は、顧客からの突然の問合せに対し、現場リーダが各製造工程を走り回り状況を確認しなくてはならず回答に多くの時間を要した。今回の活動により生産状況、納期計画を誰もが端末操作により即答できる環境が整備された。飛躍的な顧客満足度の向上が達成できた。
特に、従来はリーダのみが把握していた進捗状況を全社員が情報共有できる事が大きな成果。社員一人一人が顧客に対する会社の顔となり、顧客第一の工程遵守意識も大きく高まる副次的効果も表れた。
一連の活動で当初三つの目的のうち、(1)ITを用いた生産管理手法、(2)受注から出荷までの全体製造工程の見える化と情報共有、を達成した。

これまで現場リーダは、注文全数の指令書の束を紙ベースで管理していた。注文品毎にそれぞれ前工程の進捗状況を把握し、次工程の準備作業に取り掛かっていた。
そのため当時の環境では受注の全体像を把握する事はできなかった。全製造工程の最適化により大幅に管理業務が軽減される、との思いはあったが実現には至らない。
しかし、今回の活動を通じ新しい環境が構築された事で、この実現策が見えて来た。

顧客からの注文品は、それぞれ対応する金型が一意に決定する。一方、金型とその製造設備の振り分けも紐づく。つまり、注文が入った時点で全ての製造工程を導出でき、製造品スケジュールの自動割り付けと全製造工程の自動化が可能となる、との道筋を得たのだ。
そして第3の目標である、(3)品目毎の製造割振りと全製造スケジュール策定の自動化、の見通しを得るに至った。

これに続く次の目標としての全工程の自動最適化も視野に入り、将来的にはAIによる大幅な省力化への継続的改善活動が始動した。
株式会社江北ゴム製作所富士工場でのデジタル化への取り組みは、全ての社員が主人公。
SDGsの重要性を説く菅原氏は経営ビジョンを語り、社員一体となった取り組みとして、また新たなスタートラインに立った。

代表取締役社長・菅原健太氏と富士工場長代理・和光洋宜氏
代表取締役社長・菅原健太氏と富士工場長代理・和光洋宜氏

おわりに

国内では5割を超える企業(大企業は8割超)がDXを推進する。
そのDXによる成果は、 (1)デジタル技術による生産性向上、が最も多く、(2)既存事業の付加価値化、(3)新技術・新製品の創出、(4)ビジネスモデル変革、と続く。
組織変革にはイノベーションを生む企業文化の醸成と社員のマインドセットが重要だ。
そして組織の自己改革能力向上には、(1)経営者のコミットメント、(2)DX目的の共有、(3)主体性、(4)戦略・ロードマップ、がキーとなる。

今後の各中小企業に於けるSDGs、DXへの取り組みに際し、下記コラムをご参考戴きたい。

https://iot-robot.jp/article/expahttps://iot-robot.jp/article/expart-20200331-2/rt-20200331-2/

インタビュイー

interviewee

株式会社江北ゴム製作所

代表取締役社長 菅原 健太 氏

企業情報

社名
株式会社江北ゴム製作所
所在地
〒123-0874 東京都足立区堀之内1-13-34
設立
昭和37年6月21日
事業内容
ゴム製品の製造販売
資本金
5,000万円
従業員数
75名(2021年3月時点)


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