2022.03.30
販売データの一元管理で効率的かつ効果的な営業プロセスを実現
~サービス販売データの一元管理による売上拡大と従業員の負担軽減~
ルーシッド株式会社〈情報通信業〉
※データ活用事業はすでに募集を終了しております。
AI技術等を用いた音声通話・会議支援サービスと EC事業(天然水の販売)を展開するルーシッド(株)。同社が実施したサービス販売データの一元化による効率化の取組みについて代表取締役社長兼CEOの今村玲子様にお話を伺いました。
データ活用事業利用前の状況
事業申請当時、機能別に4つのシステム(①問い合わせ管理、②アポイント管理、③商談管理、④EC請求管理)が別々に存在しており、それぞれのデータが分散していました。システムを跨ぐとデータの一貫性が無いため、顧客ステータスの確認にも時間を要し、同じデータを複数回入力するなど効率も悪く、適切かつタイムリーな情報把握が困難な状況であり、データを有効活用できていませんでした。
4つのシステムのデータを一元管理・活用することにより、当社の主要事業であるAI技術を活用した電話窓口の自動化サービスの問い合わせから受注までのプロセスを見直し、リードから顧客獲得までの新規顧客の取込みを強化し、取引客数増加を図りたいと考えていました。また、既存顧客に対するデータ分析・管理体制を強化することで、既存顧客の育成を図り、追加オプションの導入などを進め、顧客LTVを拡大したいと考えていました。
事業を利用するきっかけ
過去に展示会関係の助成金で公社に助成制度があることは知っていました。今回は、当社のデータ管理体制を一元化して整理するために、良い事業を探す中で本事業を知り、応募しました。
実施したデータの分析・活用
本事業ではまず、CRMツールの導入に着手し、半年かけて顧客管理の体制を整えました。CRMツールを導入することで、営業データと販売データを一元管理出来るようになりました。その後、MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入し、営業活動の自動化を進めました。
CRMツールに蓄積したデータを分析・活用することで、顧客ごと・サービスごとの効果的な営業プロセスを作り出していきました。従来、複数のシステムに跨っていた顧客データや見込み案件データが一元化されることで、最新の情報を探してシステム間を行き来する時間などを抑えることが出来るようになりました。また、商談データを、商談に至るまでのリードデータと組み合わせることで、案件化途中での脱落を減らすことができました。
本事業で目標としていた売上月商は取引先数の増加によって達成できました。取引先数は事業開始前後で、約1.6倍に増加しました。営業利益率に関しても、MAツール導入による商談時間・広告費の削減、各種見える化による業務効率化による収益性向上によって、当初目標を達成することができました。
販売データの一元管理による手動作業の削減、情報把握の合理化、サービス運営の効率向上、特定従業員の残業時間の軽減に関しても一定の成果が出ています。また、販売データの一元管理により、様々な軸でデータの可視化が可能となりました。当社では仮説を基にデータ分析を行う考え方も理解できており、今後もデータから見えた課題に対して施策を行い、その結果をデータ分析することで事業全体の業績アップにつながると考えています。MAツールの活用と併せて、営業活動の効率化をこれからも進めて行きたいです。
本事業を終えての感想
当社に適した形でのツールの検討から導入、更に導入後の運用サポートまで、手厚く必要な支援をいただきました。システム・ツールの導入費の助成もありがたかったです。
取材後記
ICT技術を活用した音声通信技術をコアとした次世代VOICEコミュニケーション事業と、阿蘇の天然水を用いたオリジナル製品のEC事業、一見異色の組み合わせですが、透明さ・クリアさを追求していくという共通点を持つ企業でした。今後も様々な領域に”透明性”の価値を提供しながら成長していくことを願っています。
(取材:中小企業診断士 柏崎裕介)
企業情報
- 社名
- ルーシッド株式会社
- 所在地
- 東京都渋谷区千駄ヶ谷3丁目52-1 クロスサイドビル5F
- 設立
- 2008年
- 事業内容
- VOICEコミュニケーション事業、EC事業
- 資本金
- 1000万円
- 従業員数
- 7名
創業以来、音声通信に関わるシステム開発を事業の中核とし、現在はAI技術等を用いた音声通話・会議支援サービス(次世代VOICEコミュニケーション事業)と EC事業(天然水の販売)を主要事業とし、事業を展開しています。
「ルーシッド」という社名には「透明性のあるクリアな会社」という意味を込めています。